電車の遅延や運休時に「返金」を アムトラックとNJTに義務の法案

 

電車の遅延や運休時に「返金」を

アムトラックとNJTに義務の法案

 

アムトラックはペンステーションのモイニハン・トレイン・ホールから発着。
同ホールは16億ドルを投入して改修、2021年元旦にオープンした
photo: Asami Kato

ニュージャージートランジット(NJT)が運行する電車の遅延や運休は日常茶飯事。その多くは線路やトンネルを所有するアムトラックの故障が原因だ。そこでニュージャージー州バーゲン郡選出のジョッシュ・ゴットハイマー連邦下院議員は12日、遅延や運休が生じた場合、運賃払い戻しをアムトラックとNJTに義務付ける法案を発表した。13日、ゴッサミストが伝えた。

この6月、NJTの電車の運休は657本。そのうちの415本はアムトラックの不具合に起因する。最近も線路故障でニューヨーク市とコネティカット州ニューヘイブン市間のアムトラックが数時間不通となり、その影響でNJTの電車も止まった。

ゴットハイマー氏はアムトラックが順調に運行していれば、NJTの定時運行率は92.3%に上がると指摘。「アムトラックがニュージャージー州民の足を引っ張っている」と批判し、「鉄道利用者の権利憲章」を含む「オールアボード法案」を発表。その中で電車が遅延したり運休したりした場合、アムトラックとNJTに運賃返金を義務付けている。さらに法案は、アムトラックに問題が起こらないよう事前のインフラ投資を求めている。連邦議会はワシントンD.C.からマサチューセッツ州ボストンまでの北東回廊へのインフラ整備に60億ドルの予算を割り当てており、ゴットハイマー氏はアムトラックに工事着手を促している。また、この件でアムトラックやブティジェッジ運輸長官と協議する用意があることも明かした。

「電車の遅延や運休は避けられないと考えがちだが、それは間違い」とゴットハイマー氏は主張。「税金や運賃がないならまだしも、税金や運賃を払った上、遅延や運休が起こるのでは利用者は不当に高い代償を払うことになる」と続けた。

NJTの広報担当者はコメントを拒否。アムトラックの関係者もコメントの求めに応じていない。

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