マンション購入外国人、ミャンマーが2位

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共同通信
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 事実上の内戦状態で経済苦境が続くミャンマーの富裕層が、隣国タイで不動産を購入して資産防衛を図る動きが目立っている。タイの集計では2024年第1四半期の外国人の分譲マンション購入戸数で、中国人に次いで初めて2位になった。資産の国外流出を警戒するミャンマー軍事政権は締め付けに動き始めた。(共同通信バンコク支局=伊藤元輝)

 ▽名義借りて現金払いも

 タイの首都バンコク中心部の人気ミャンマー料理店。ほとんどがミャンマー人客で、長期滞在者やビジネスマンらでにぎわう。店長のタイ人女性は「特に年明けから客足が伸びている。長期化する戦乱を避けて来る人が増え、不動産を探している」と明かした。

 タイ不動産情報センターの集計では、2024年第1四半期に400戸弱、約22億バーツ(約95億円)相当がミャンマー人に買われた。ミャンマーでは2021年2月にクーデターが発生。政情が悪化するほど購入戸数は増え、2022年に6位、2023年には4位に上がった。

 バンコクが人気だが、ミャンマーと国境を接する北西部メソトの物件も目立つ。主要紙バンコク・ポストは、タイ人名義で現金購入されるメソトの物件が多い実態も伝えた。ミャンマー人が名義を借りている可能性が高く、集計よりも実際の購入数は多いとみられている。

 ▽実勢レートは公定の2倍以上

 クーデター後のミャンマーは経済の混乱が続く。外資系企業の撤退や経済制裁、観光業の低迷に加え、若者の国外脱出で労働力不足も懸念される中、通貨安が深刻化。軍政は1ドル=2100チャットの公定レートを定めるが、街中でやりとりされる実勢レートは7月中旬に一時5千チャット台まで下落した。

 市民が自国通貨を安全資産の金や米ドルに交換するのは日常で、富裕層は外国不動産にも投資する流れとなっている。世界銀行が2024年度のミャンマー経済に関し、1%の低成長が続くと予測するなど先行きは暗い。

 ▽購入者の1割は軍政関係者?

 軍政は資産の国外流出の加速に危機感を強めている。2024年6月上旬には当局の許可なくタイの分譲マンションを売買し、代金を不正送金したとして企業幹部や購入者ら計5人を訴追した。

 ただ、こうした資産防衛の動きは軍政関係者にも広がっているとの声がある。独立系インターネットメディア「イラワジ」はタイの不動産市場関係者の証言として「購入者の1割は軍政とつながっている」と伝え、元軍政幹部や家族が含まれるとの見方を示した。