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共同通信
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自民党総裁選への立候補が取り沙汰されている議員の中に、派閥裏金事件の震源地となった安倍派幹部の名前はない。「事件さえなければ本命だった」「まずは衆院選で勝てるかどうかだ」。西村康稔前経済産業相と下村博文元政調会長の地元では悔しさと不安が交錯する。
「キックバックの問題さえなければ、総裁・総理になれるチャンスだった」。西村氏に近い兵庫県の地方議員がほぞをかんだ。
西村氏はかねて「首相を目指す」と公言。09年の総裁選に敗れたものの、コロナ対策担当相などとして次第に存在感を強めた。今回は総裁選に出ることさえできず投票資格も奪われ、この地方議員は「悔しがっているが、その悔しさを力にしようとしているのではないか」と推し量った。
下村氏も安倍元首相が中止を指示した資金還流が復活したとされる22年8月の幹部協議に加わったことなどから「党員資格停止1年」という処分を受けた。期間中に国政選挙が行われれば公認を得られない。
下村氏に近い東京都板橋区議は秋にも実施される可能性がある衆院選を「人生最大の試練になる」とみる。