台風猛威、九州7県で82人けが

Published by
共同通信
風雨が強くなる中、JR博多駅前を歩く人=29日午後2時8分

 台風10号が猛威を振るい、九州の福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島の7県で29日までに、強風にあおられて転倒するなどして計82人がけがをした。また鹿児島市の鹿児島港の海中で29日、男性の遺体が見つかった。付近で28日に60代男性が船から海に落ち行方不明になっており、鹿児島海上保安部などが関連を調べる。佐賀県鹿島市の祐徳稲荷神社の参道では29日午前、市内の80代男性が頭部から出血して倒れているのが見つかり、病院で死亡を確認。県警が強風で転倒した可能性もあるとみて調べる。

 大分県の複数の自治体は河川氾濫の恐れがあるとして、一部地域に「緊急安全確保」を発令。大分県は全市町村に、福岡県は一部自治体に災害救助法の適用を決めた。

 九州7県では29日、一時約26万2800戸が停電した。各地で百貨店や店舗が臨時休業し、道路や田畑が冠水した。

 JR九州は29日に続き30日も九州新幹線全線を運休する。西九州新幹線も当初は運休継続と説明していたが、長崎―武雄温泉間の全線で、点検後に本数を減らして運転する。