熊本地震、犠牲学生の父死去

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共同通信
2016年7月、阿蘇大橋下流の川岸で、大和晃さんの手掛かりを求めて捜索する卓也さん=熊本県大津町

 2016年4月の熊本地震の本震発生時、熊本県南阿蘇村の峡谷に架かる阿蘇大橋を車で走行し、土砂崩れに巻き込まれて犠牲になった大学生大和晃さん=当時(22)=の捜索を続けた父大和卓也さん=同県阿蘇市=が4日、66歳で亡くなっていたことが5日、遺族への取材で分かった。

 県は行方不明になった晃さんの捜索を「二次災害の恐れがある」として、16年5月に打ち切ったが、卓也さんと妻忍さん(57)は自ら谷底に降りて晃さんを捜し続けた。崩落時の目撃者を探すなど、懸命な捜索の末、7月に車の一部を発見。8月、晃さんの遺体が収容された。

 卓也さんは熊本県菊陽町の病院で今月4日、病気で亡くなった。