カジノが家族向けに「進化」
競争激化で子ども連れをターゲットに
全米各地で先住民族が運営するカジノが、家族向けアトラクションを拡充している。5日付けのウォール・ストリート・ジャーナルによれば、ウォーターパーク、ゲームセンター、ゴーカートなどに数百万ドルを投資し始めている。
家族向けアトラクションを持つ先住民族のカジノは現在16カ所。10年前の6カ所から急増した。託児サービスを提供するカジノさえある。米国内でカジノの収益は右肩上がり。ただ、スポーツ賭博やオンライン賭博の人気が高まり、競争も激化している。「どこかの州でカジノが解禁になれば、他の州のカジノが食われる」と専門家は指摘している。
例えば、コネティカット州にあるマシャンタケット・ピクォート族のフォックスウッズ・リゾート・カジノ。30年の歴史を誇るモヒガン・サン・リゾート&カジノも遠くない。車で数時間の範囲内なら競合するカジノは十指に余る。フォックスウッズのジェイソン・グヨット最高経営責任者(CEO)は「我々は進化しなければならない」と語る。そこで、ボーリング場、ゴーカートなどを新設。来年はインドアのウォーターパークも併設する。これで「冬期の来客100万人増に賭ける」という。
カリフォルニア州サクラメントのレッド・ホーク・リゾート&カジノも2年前に8万5000平方フィートの家族向けインドア・エンターテインメント・センターをオープンした。
家族向けアトラクションに注力したカジノは本家本元ネバダ州ラスベガス。子ども連れで楽しめるよう、遊園地のような施設や健全なショーを増やした。ところが最近は大人向けの充実に回帰している。カジノの収入源は何と言ってもギャンブル。家族向けのアトラクションで客は増えるかもしれないが、家族連れがギャンブルをするとは限らない。結局、設備投資がかさみ、利益を蝕むことになるとしている。
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