NYトランプ支持者に直撃
白熱の大統領候補討論会ルポ

(10日、マンハッタン・ノマド)Photo by Keiko Tsuyama
「昨年末にウォール・ストリートの企業をクビになった。家賃などニューヨークのインフレは本当にきつい」
10日夜開かれた米大統領候補討論会を見守るノマドのルーフトップバーパーティで、共和党候補トランプ前大統領を支持するライアン・ルポ氏(24)がとうとうと語った。
ルポ氏と友人のショーン・オマリー氏(24)は、赤い「MAGA(Make America Great Again)」キャップにTシャツ姿。圧倒的にハリス氏支持者が多い中、トランプ氏が決め台詞を言うと、歓声をあげて応援した。
しかし、民主党指名候補のカマラ・ハリス副大統領は、討論会が始まって30分ほどで、罠を仕掛けた。
「皆さんは、トランプ氏の選挙集会に行くべきだ。彼が理にかなっていないことばかり言うのを聞かされ、集会が終わる前に人々が退席するのを見られるから」
これがきっかけで、トランプ氏は怒りをあらわにし、次々と陰謀論などにふれて「墓穴」を掘った。
CNNが討論会終了後に発表した世論調査によると、ハリス氏が討論で勝利したとした回答が63%、トランプ氏は37%とハリス氏は「大勝」を収めた。
討論会直後に話しかけたオマリー氏は、トランプ氏が何度も言及した移民に対する不満をあらわにした。
「ニューヨークに来る移民が、ホテルに住み、生活費の援助を受けているのはなぜだ?僕は米市民なのに援助は受けられない!」
失業中のルポ氏は、ダウンタウンのアパートに生活苦を抱える5人の友人と住んでいる。
「バイデン政権の下、なぜこんなにインフレで経済が悪化しているのか。トランプの頃はこんなこともなく、彼は米国人の気持ちを理解していると思う」(ルポ氏)
討論会の感想を聞くと、こう答えた。
「彼女は、人々の心にうまく訴えた。でもトランプは今まで多くの記者会見をこなしてきた。そのビデオをハリス陣営は分析して対応できたのだと思う」
討論会直前のニューヨーク・タイムズとシエナ大学が実施した世論調査(3〜6日)によると、ハリス氏の支持率は47%、トランプ氏は48%と僅差でトランプ氏がリードしていた。(津山恵子)
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