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共同通信
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北海道・知床沖の観光船沈没事故で、第1管区海上保安本部(小樽)が事故の状況を再現するため、3Dプリンターで製作した船の模型を使って浸水実験をしていたことが19日、捜査関係者への取材で分かった。乗客乗員26人全員が死亡、行方不明となり目撃証言がない中、実験などで証拠を積み重ね、ハッチからの浸水が沈没原因と結論付けた。
1管は業務上過失致死などの容疑で逮捕した運航会社「知床遊覧船」の社長桂田精一容疑者(61)らが船体の不備を放置し事故につながったとみて調べている。桂田容疑者は昨年、共同通信の取材に対し、船体の異常は知らなかったと答えていた。
運輸安全委員会の報告書によると、観光船「KAZU 1(カズワン)」は船首付近のハッチが確実に閉鎖されないまま出航し、悪天候で開いた。1管は、浸水場所や船内に入った水の量を特定するため、模型を使って実験を繰り返したという。
事故は2022年4月23日に発生。死亡した豊田徳幸船長=当時(54)=についても桂田容疑者と同じ容疑で捜査している。