NYでトレジョのバッグが争奪戦、なぜ? アメリカ/日本の盛り上がりを徹底検証〜新たな「令和のバーキン」誕生か

 

NYでトレジョのバッグが争奪戦、なぜ?
アメリカ/日本の盛り上がりを徹底検証
新たな「令和のバーキン」誕生か 

 

「Trader Joe’s(トレーダージョーズ)」のミニトート、9月18日
より再販売されている(写真提供:@kumiko_usaさん)

アメリカで現在 “取り合い” になっているトートバッグがあるらしい。分厚めのキャンバス地にポップなカラー展開、アメリカのスーパーチェーン「Trader Joe’s(トレーダージョーズ)」(以下トレジョ)のロゴが入ったミニトートが、ニューヨーカーを騒がせている。「買えない」「買えた」「転売」の声まで相次ぐ同アイテム、反響のワケを取材した。

◆「エコバッグ」人気の高いアメリカ発スーパー

そもそもトレジョとは?
現在アメリカに約600店舗を展開するスーパーマーケット。店内の8割はプライベートブランドで、その品質・価格ともに定評がある。物価高のニューヨークでは、ヨーグルト99セント、100種を超えるスパイスは瓶タイプで2ドル台から手に入れられるスーパーは珍しく、家計にやさしい価格設定も人気の理由のひとつだ。


そして、なんといってもオリジナルの「エコバッグ」は需要が高く、安いもので99セントから、質&デザイン性を兼ねそろえたアイテムはばらまき土産としても重宝されている。そんななかで、今話題となっているのが「ミニトート」。初めて発売されたのは2023年3月のことで、当時は2.99ドルという価格も相まって即完売したそう。

トレジョのミニトート(2.99ドル)

◆ 朝7時半、すでに30人が列を作っていた

「持っていると行き交う人から『それゲットできたの?』と話しかけられる」今回はニューヨークの情報発信を得意とする@kumiko_usaさんご協力のもと、再販売(9/18〜)に際する商品ゲットの経緯など、話を聞いた。

開店前の様子、ミニトート目当てに列を作る人々(写真提供:@kumiko_usaさん)

@kumiko_usaさんが現場に到着したのは午前7時30分頃(開店は8時)。その時すでに30人ほどが列を成しており、ざっと見た感じ5〜6人の日本人もいたという。いざ店が開くと、列のまま入店し、混雑緩和のためカウンターでスタッフに商品を伝えるスタイル&1人4つまでのルールが設けられていた(いずれも店舗により異なる)。無事に4色をゲットできた@kumiko_usaさんは安堵したようだが、その後友人からは「9時過ぎには売り切れたらしい」という情報も入ったんだとか。

カートの中にはもちろん「ミニトート」(写真提供:@kumiko_usaさん)

◆ 「とりあえず買っておこう」ムーブメント

TikTokやインスタグラムのリールでも当日のことは数多く投稿されており、朝の8時からトートバッグに夢中な人々を収めた動画に「ただのトートバッグに?」「ゾンビみたい笑」など、2400件を超えるコメントが集まっているものもある。確かにただのトートバッグ、値段はお安いが何がそこまで人を惹きつけるのだろうか?


「定番トートのミニチュア版ということで、初めて見たときは可愛さに心を奪われちゃいました。あとは帰国する際のばら撒き土産に“とりあえず買っとく”という声はたくさん聞きます。例えばHarney & Sonsの紅茶だと10ドルするけれど、このバッグだと2.99ドルで済む…いざとなれば自分でも使えますしね!」


キーは「とりあえず買っておく」なのか。「面白かったのは、発売の前日にママ友たちと公園で話していると『明日行く?』『明日どうする?』といった会話が自然に生まれるんです」もしかすると、“みんなが買っているから、私も”という相乗効果がかなりデカいのではないか(これまですでに手に入れていても再び購入した人もいるよう。もう持ってるジャン!)。

◆ バズる要素しかない「ミニトート」だった

そんな「とりあえず買っておこう」ムーブメントのほか、アメリカでは「アレンジ」が流行。シンプルなデザインゆえ、持ち手部分にリボンを付けたり、白のキャンバス地にオリジナルのペイントや刺繍を施したり。また、なかにはジッパーや巾着、裏地を縫い付けてカスタマイズしたりする人もいる。アメリカではそんな「カスタマイズ」をみんなで楽しもうと、若者が集ってワッペン刺繍を楽しむイベントも催されているのだ。

画像はTikTokよりスクリーンショット
(@destinyyyangel)

また、財布やメイクポーチのほか、水筒にお弁当まで入りながら、大きく膨らまない機能性抜群なフォルムにもTikTokでは賞賛が集まっており、とある動画は60万回も再生されている。
以前、「ユニクロ」の「ラウンドショルダーバッグ」(1500円)が機能性&ファッション性ともに評価され、「ミレニアル世代のバーキン」と大バズり(TikTokでは5900万回再生)をしていたが、今回のミニトートもそこに次ぐヒットなのではないかと筆者は(勝手に)思っている。

1. 信頼できるブランドであること
2. デザインはシンプルかつコンパクト
3. 安価

近年、ファスト・ファッション・ブランドをはじめ、バズっているバッグに共通しているのは上記の3項目なのだが、スーパーの「トレジョ」はこれらのポイントを楽々とクリアしてしまっているではないか。


と、2.99ドルでありながら、人気のわけを探っていると出てくるわ出てくるわ。風の噂によると新色の開発も進んでいる?とのこと。あくまで噂なのだが、こういった情報こそが想像を掻き立て「私も欲しい」マインドにさせるのだろう。人々の深層心理を突きまくったトレジョの「ミニトート」。在庫状況は各店舗に直接確認を。


取材・文/ナガタミユ


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