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共同通信
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三重県桑名市の多度大社で昨年5月に行われた「上げ馬神事」で、馬に暴力的な行為をして虐待したなどとして、県警は24日、動物愛護法違反容疑で神事の関係者12人を書類送検した。神事を巡っては、動物虐待との批判があり、開催様式が大幅に変更された。
12人の書類送検容疑は、昨年5月4、5日の神事で馬に暴力的な行為をし、急な坂を駆け上がらせた疑い。昨年10月、動物愛護団体が同法違反容疑で神事を主催する氏子組織の代表らを告発し、県警が捜査を進めていた。県警は、認否や容疑の詳細は明らかにしなかった。
上げ馬神事は、南北朝時代に起源があるとされる行事で、県無形民俗文化財に指定されている。昨年までは、馬が坂を駆け上がり高さ約2mの土壁を越えた回数で農作物の豊凶などを占う伝統行事として行われてきたが、最近十数年で馬計4頭がけがをして安楽死させられていたことも分かり「虐待ではないか」との批判が出ていた。
大社側は第三者委員会を設置し、改善策を講じた。今年5月の神事は土壁を撤去し、坂の勾配も緩めるなどして実施した。