「東部ウマ脳炎」NY州で10年ぶり死者
致死率高く、媒介する蚊に注意
ニューヨーク州のホークル知事は23日、東部ウマ脳炎(EEE)でほぼ10年ぶりに死者が出たと発表した。ABCニュースが24日、伝えた。ワクチンはなく、媒介する蚊に刺されないようにする予防が必要だ。
EEEはウイルス性の感染症。蚊が媒介してウマやトリからヒトが感染する。3〜10日の潜伏期間後に高熱、頭痛、悪寒などの症状が出る。1〜2週間で回復することが多い。無症状の場合もある。ただし、約3分の1は脳炎や髄膜炎といった重篤な状態に陥る。特に50歳以上や15歳以下で生じやすく、致死率も33%と高い。生存者の半数近くにはてんかん、身体麻痺、脳神経不全、パーソナリティー障害、知的障害などの後遺症が出る。
同州保健局によると、EEEは今月20日、ハドソン川沿いのアルスター郡で感染が確認された。マクドナルド保健局長は緊急事態を宣言し、今月30日から11月30日まで、蚊の駆除剤を散布するなどの予防措置を実施するとした。同局長は「従来EEEは数郡に限られていた。今年はすでに15の郡で見つかっており、州全体に広がっていると考えてもよい」とコメント。「死にいたる感染病で、ヒト用ワクチンはなく、深刻な状態だ」と警告している。さらにマクドナルド局長は、虫除けスプレーの使用や長袖長ズボンの着用などの予防策を推奨。「家の周囲に水たまりを作らないように」と話している。秋になっても蚊の活動は、気温が零下になるまで止まらない。蚊の活動は日暮れから日の出まで活発になるため、この時間帯はできるだけ外出を避けたい。さらに窓やドアに防虫スクリーンを設置することが望ましい。
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、EEEは全米で今年10件の感染が確認されている。マサチューセッツ州で4件、ニュージャージー州でも1件ある。さらに2003〜23年にかけて少なくとも196件の感染が報告されており、176人が入院し、79人が死亡している。
編集部のつぶやき「ニューヨー蚊ー」
ニューヨークの蚊は攻撃力が高いような気がする。網戸をしていても侵入して、プスプス刺しよる!
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