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共同通信
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国民的人気が高かったウクライナ軍のワレリー・ザルジニー前総司令官(51)の伝記が8月に発売された。戦争指導を巡るゼレンスキー大統領や政権幹部との衝突を描き、戦時下の軍トップの苦悩をうかがわせる内容。著者は執務を間近で見てきた元顧問で「人物像を解き明かし、侵攻前後の様子を歴史に残す」狙いがあるという。
ゼレンスキー氏はロシアによる侵攻開始から約2年が経過した今年2月、ザルジニー氏を解任した。伝記は解任の経緯に触れていないが、戦況が膠着する中で両者の確執が伝えられていた。
伝記は「鉄の将軍 人としての教え」と題し、広報などを担った戦略コミュニケーション担当の元顧問がザルジニー氏や同僚らへのインタビューを基に執筆した。
ザルジニー氏が総司令官に任命されたのは侵攻前の2021年7月。48歳での抜てきは本人にとっても「大きな驚きだった」。侵攻直後の首都キーウ(キエフ)防衛や南部ヘルソン奪還などに成功し、人気を誇った。(キーウ共同)