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共同通信
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【北京共同】新潟県佐渡市で生まれた国の特別天然記念物トキ16羽を中国に返還することで日中両当局が合意したことが、関係者への取材で5日分かった。10月末にも北京に輸送する。日中の覚書に基づき、中国から提供されたトキの子の半数は返すことになっているが、新型コロナウイルス禍や鳥インフルエンザの影響で停滞していた。実現すれば2016年以来、8年ぶりとなる。
日中両国が多くの課題を抱える中、トキの返還を通じて学術面での交流促進に期待する声もある。
関係者によると、今回の返還対象のトキは、佐渡トキ保護センター(佐渡市)で16~22年に生まれた雄7羽、雌9羽。健康状態を確認した後、日本から北京に出発する。飼育の準備が整い次第、北京動物園が受け入れるという。
トキの返還は02年3月から始まり、16年3月までの7回で計47羽が中国に返された。ただ新型コロナや鳥インフルの感染対策の他、日中当局間の調整が進まず、輸送費の問題も重なるなどして返還が滞っていた。