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共同通信
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海のない埼玉県で、サバの養殖に挑んでいる企業がある。同県神川町の陸上養殖事業会社「さかなと」だ。温泉施設を運営する親会社の水質管理に関するノウハウを生かし、人工海水を使った養殖に成功。2023年から出荷を始めており、鎌田奈津実社長(31)は「今後は温泉を使った養殖にも挑戦したい」と意気込む。(共同通信=勢理客貴也)
水産庁によると、陸上養殖は海に比べて天候や病気の影響を受けにくく、安定した生産量が期待できるため、参入する企業が近年増えている。
この会社が運営する神川町の「温泉サバ陸上養殖場」は、群馬との県境の山あいにある。農業用ハウス内に、20トンの人工海水が入る水槽2基を設置。サバが食べ残した餌などで水質が悪化しないよう循環式のろ過装置を備え、水温を一定に保つための機械も導入した。
きっかけは新型コロナウイルスの感染拡大だった。経営が悪化した親会社が、新しく持続可能な事業を始めようと養殖業に着目。温泉と養殖の事業は水質管理の技術に共通する点があり、参入しやすかったという。
2021年10月、親会社が運営していた温泉施設の敷地内で養殖場をスタートした。だが、12月には成魚と稚魚の計約1500匹が全滅する事態に。ろ過装置のトラブルを改善するなどして再開し、2023年6月に約150匹を初出荷した。今秋には、さらに200匹程度を出荷したい考えだ。
養殖場周辺に湧く温泉は塩分を多く含んでいるため、将来は人工海水の代わりに養殖に利用できる可能性もあるという。鎌田社長は「将来はお客さんが餌やりや釣りもできるような場所にし、温泉も一緒に楽しめるサバのテーマパークのような場にしたい」と話す。

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