第12回 植村花菜のNY子育て日記 NYは不便だけれど人情に溢れている「手伝おうか?」


第12回 植村花菜のNY子育て日記

NYは不便だけれど人情に溢れている「手伝おうか?」

 

日本で食べた行きつけのお蕎麦屋さんの鴨南蛮そば

 

2カ月間の日本滞在、お仕事も全て無事に終えて9月頭にニューヨークへ帰って来ました!往路のフライトは出発が10時間遅れるトラブル、復路のフライトは大型台風直撃で予定の飛行機に乗れず羽田で2日間足止めを食らうという、子連れにはなんともハードな空の旅となりましたが、みんなで無事に我が家へ帰ってこられただけで感謝。  

今月で10カ月になった娘は生まれてからすでに3度日本へ一時帰国していますが、改めて日本とニューヨークの子育て環境の違いを実感。やはり日本はどこへ行ってもエレベーターやエスカレーターが使えて、ベビーカーで赤ちゃんを連れて歩くママにとっては本当に助かります。ニューヨークはエレベーター、エスカレーターがある駅や建物が少ないし、あっても壊れてる率がかなり高い!先日も娘と二人で電車に乗って息子のお迎えに行きましたが、エレベーターはバッチリ壊れてました(笑)。

でも、ニューヨークの素敵なところは、意を決してベビーカーを担いて階段を上がろうとすると、必ず誰かが「手伝おうか?」と言って、地上ないしは上の階まで一緒にベビーカーを持って上がってくれるところ。そして、赤ちゃんや子供と一緒に電車に乗ると、席が空いていなくても必ず誰かが「ここ座る?」と言って席を譲ってくれるところ。一方日本では、赤ちゃんや子供と一緒に電車に乗っても席を譲ってもらった経験は一度もなく、優先座席に若者が座り、お年寄りや子供が目の前に立っていてもケータイを触って知らんぷりをしている様子を見ることもしばしば。

 

岡山でお仕事前に家族でボルダリングしました

日本は便利だけれど人との関わりが薄く、ニューヨークは不便だけれど人情に溢れているように感じます。国民性というものも関係していて、アメリカ人はフレンドリーで誰にでもすぐ声をかけるけど、日本人は知らない人にいきなり声をかけたりかけられたりすることに慣れていないことも影響しているのかなと思ったり。ニューヨークでは学校の子どものお迎えにパパが来ることが多いのも、日本と大きく違う気がします。

パンデミック中に息子が日本の幼稚園に通っていた時、お迎えに来るのはほとんどママでしたが、ニューヨークの学校はパパがお迎えに来ることもすごく多くて、夫婦での子育てへの取り組み方や働くスタイルも日本と違うのかなぁと感じます。どちらが良い悪いではなく、それぞれに一長一短ありますよね。とにかく、これから娘がベビーカーを卒業するまで、たくさんのニューヨーカーに助けていただきなが逞しく階段を上がりたいと思います!

Shintaro Ueyama
Photo:Shintaro Ueyama

シンガーソングライターの植村花菜です。2016年に渡米し、夫、9歳の息子、23年にNYで出産した0歳の娘とニューヨークで暮らしています。NY生活や子育てに関するエッセーを綴っていきます。

公式サイト: http://ka-na.us
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