9月、京都大学ニューヨーク同窓会「ニューヨーク洛友会」に、日本でグロービス経営大学院の学長を務める堀義人先輩が登壇。「日本が世界の中でリーダーシップを取っていくためには?」など、興味深いトピックのもと座談会が行われた。
堀義人が語る、ニューヨークで成功するコツとは?
「恐れずに議論して、友達になっていく」

――「他人と違うことをすると叩かれがちな日本」
「成功者に厳しい日本のなかで、社会を本気で良くしていこうとビジネスをやってきた」こう語る堀さんは、京都大学卒業後に、住友商事に入社。その後ハーバード大学院に留学し、MBAを取得。卒業後は、日本に経営大学院をスタートすることを社内起案したものの受け入れられなかったため退職し、たった80万円の資本金を元手に自身のアパートの一室を使い、1992年グロービス経営大学院の前身であるグロービス・マネジメント・スクールをスタートさせた。当初は受講生が20人しかおらず、週末には自分自身でパンフレット配りなどをしていたが、今では入学者が年間1000名を超える日本最大の経営大学院にまで成長した。 「他人と違うことをすると驚かれ、叩かれがちな日本。そこと上手くコミュニケーションを取りながら、他の人と違うことをするのが成功の道。そして社会のために、多くの人にオープンにしながら、ビジネスをやっていけば社会は叩かなくなる」
――「多くのオピニオンリーダーと触れてほしい」
そして話は「世界」へ。日本から世界へ出て活躍していく人に向けて、堀さんは「多くのオピニオンリーダーと触れてほしい。彼らが世の中を変えていくから、さまざまな人と会うことを心がけること。そして恐れずに議論して、友達になっていく。特にニューヨークにいるのであれば、なるべく多くの人と関係性を築いていくことが大切。あとは、それぞれの人が長けた分野で頑張るということですね」と話す。
――「Jポップが上がってきている」
それぞれの分野といえば、最近ニューヨークでYOASOBIのライブが行われたり、北米最大級のアニメイベントでは特別ゲストとしてCreepy Nutsが招待されたり。日本でも注目のダンスボーカルユニット・新しい学校のリーダーズがアメリカにも進出したりと、日本のJポップ人気がアメリカ国内でも高まってきている昨今。 「日本の経済的な強さに加えて、Jポップが上がってきていると思う。Kポップのように、“プロデューサーがいて大人数のダンスグループ”というフォーマット化されたスタイルと違い、Jポップは音楽、キャラクター性においても独自性があるので、これらが世界で受けているし、今後ますます世界に発信していく上では面白いと思う」 起業家の輩出だけでなく、日本のエンタメの底上げにも注力を始めた堀さん。自身が手掛ける「LuckyFes」も日本のアーティストを世界発信していく場にしたいとの思いがあり、「何事も世界と相対的に見ながら、何か問題点を認識するとすぐにアクションを起こした方がいい」と、強く語る。ビジネス、また1人のグローバル人材として生きていく上でのメッセージが込められた座談会となった。

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