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共同通信
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【ハノイ共同】中国の李強首相は12日、ベトナムの首都ハノイを訪問し、最高指導者のトー・ラム共産党書記長兼国家主席と会談した。両国が領有権を争う南シナ海の平和と安定を維持することが重要との認識で一致した。李氏は首相就任後、初のベトナム訪問。ベトナムメディアなどが13日、伝えた。
南シナ海を巡っては、中国と対立が激化するフィリピンが、ベトナムとの連携強化を図っている。中国はベトナムとの友好関係を演出することで、ASEAN間の協力促進にくさびを打ちたい思惑もあるとみられる。
ラム氏は会談で、南シナ海問題について両国の意見の違いを解決する方策を積極的に模索する必要があると指摘した。
ベトナムは自国の漁船が南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島付近で9月下旬に中国船から被害を受けたとして、10月に中国に抗議した。
一方でラム氏は「中国との関係強化は外交の最優先事項だ」と強調した。最大貿易相手国の中国との良好な関係を維持し、投資を呼び込みたい考えで、外交や安全保障分野での協力促進を李氏と確認した。