NYの三重苦、行政はどう向き合うか
ホームレスと精神衛生、治安
2023年5月、地下鉄車内で大声を出し続けていた黒人ホームレス、ジョーダン・ニーリーさんが首を絞められ死亡した事件で、元海兵隊員ダニエル・ペニー被告への判決が今月言い渡される。ニューヨーク市のアダムズ市長、ニューヨーク州のホークル知事は、ニューヨークが抱える「三重苦」ともいえるホームレス、精神衛生、治安に対し、事件以前から取り組む姿勢を示してきた。15日付ゴッサミストは、両氏がどのように向き合ってきたかについて紹介している。
ニーリーさんの事件は、三重苦に対する行政サイドのアプローチ手法が表面化するきっかけとなった。それは、ホームレス向けの支援を増やすと同時に、取り締まりや強制的な介入を掛け合わせた内容だ。具体的には、1日当たり2000人以上の警察官を地下鉄に動員したことに加え、精神鑑定のために強制的に病院搬送を容易にした一方、ホームレス支援に関わる人を増加させた。
ただ、こうした取り組みが、どこまで功を奏しているかは不透明な部分が大きい。市と州の広報担当者は「地下鉄にいる人々を、恒久的な住居に移すことにつながった」などと口をそろえる。ただ、警官の大量動員を巡り警察の関与がメリットかデメリットかについては、見解が割れているのが実情だ。アダムズ氏は、地下鉄での犯罪は今年に入ってから5.1%減少したと成果を強調している。
編集部のつぶやき「大いに疑問、、、」
地下鉄内のホームレスの数は以前より減ってはいますが、抜本的な解決がなされているかというと大いに疑問。そしてニーリーさん事件。彼が白人だったら、というか黒人以外だったら、あのような事件は起きなかったでしょう。判決は…正直言ってあまり期待できないな。悲しいかな、それが長くこの国に住んでいる者の実感です。(怒AK)