Published by
共同通信
共同通信
事件現場に残された足跡から容疑者らが履いていた靴を特定する大阪府警のスペシャリスト「足痕跡副鑑定官」に、10日付で鑑識課足跡係の一般職員上野梓さん(32)が任命された。高度な技能や知識が求められる副鑑定官に女性が就くのは府警で初めて。「一人でも多くの容疑者が逮捕されるきっかけになれば」と意気込む。
鑑識課足跡係は、現場で採取した足跡の資料をライトで照らしたり、拡大レンズを使ったりして、靴のメーカーや種類を割り出すなど、事件捜査で重要な役割を持つ。副鑑定官は鑑定官と連名で、裁判所に証拠として提出する鑑定書を作成できる。
幼い頃から「悪い人を捕まえたい」と警察官に憧れていた。小柄で体力面に不安もあったことから、2015年4月から一般職員に。警察署の会計課で、上司から「足跡係なら一般職員でも刑事事件に関わることができる」と聞いて、異動を希望するようになった。
19年4月に鑑識課足跡係に配属。ほこりと靴の模様の違いすら分からなかったが、年間千点以上の足跡資料に目を通して、鑑定技術を向上させた。