
Patricia Field ARTFashion Galleryにて
「セックス・アンド・ザ・シティ」の衣装を手がけたことで知られる、デザイナーでスタイリストのパトリシア・フィールド。ファッション業界に衝撃と影響を与え続けた彼女のブティック「Patricia Field ARTFashion Gallery」が、ニューヨーク・ローワーイーストサイドに再びオープン。そんな記念すべき日を取材した。

◆ 惜しまれながら2016年に閉店していた
これまで「セックス・アンド・ザ・シティ」(1998年〜)、「プラダを着た悪魔」(2006年)、最近では「エミリー、パリへ行く」(2020年〜)など歴史に残るファッション映画、ドラマシリーズの衣装を手がけてきたパトリシア。
彼女を語る上で欠かせないのが、輝かしい映像作品で鍵を握る衣装たち、そして「ブティック」の存在であり、24歳で初めて「パンツ・パブ」をオープンして以来、のちに「パトリシア・フィールド」と名を変え2016年に至るまで、イーストビレッジを中心に移転を繰り返しながらコミュニティを形成していった。


◆ 「40年の仲、かけがえのない驚きに満ちた旅」
「パトリシア・フィールド」が惜しまれながら閉店して8年、その復活を待ってました!と祝うかのごとく、オープン初日には多くの人が駆け付け、当時彼女の元で働いていた人や長年の友人、ファンは「(彼女と働けて)本当に楽しかった」「Patとは40年の仲になるけど、かけがえのない驚きに満ちた旅だった」と口々に話しており、とある男性は「HOUSE OF FIELD」というジャケットを手に持っていた。

「HOUSE OF FIELD」は彼女を中心に、彼女を慕う人々によって作られたコミュニティの総称で、そのなかの「HOUSE」というのは、黒人やラティーノのLGBTQ+コミュニティで「従来の枠組みに囚われず生活を共にする集団がその結束を示す言葉」として使われてきた言葉なのだ。



活気や喜びに満ちた人々が集ったこの日。普段、私たちが目にしている映像作品からは見られない、彼女と彼らの絆が生んだもうひとつの「パトリシア・フィールド」という物語を見たようだった。
ファッション、アートを通して個と個が深く繋がり合い、人生を分かち合う。この場所に集まった仲間たちは、きっとそれぞれの「パトリシア・フィールド」を持っていて、それがこの日を境に再び交わることができるようになったのか、と思うとワクワクが止まらない。

Patricia Field ARTFashion Gallery
住所:211 E Broadway
営業:12時〜20時
取材・文・写真/ナガタミユ
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