秋の特別号
ホームパーティーのコツ
アメリカでは日本に比べてホームパーティーに参加する機会が多くあります。単身者の自宅でカジュアルに行われるものから、会社の上司の自宅で行われるものまで、色々なスタイルが見受けられます。今回はカジュアル編とフォーマル編、2つのカテゴリーでそれぞれのコツをお伝えします。
カジュアル編
―編集部で働く女性に話を聞いてみました。
まず、どんなホームパーティーに参加されたり、主催されたりしますか?
(Iさん)私は日本人駐在員が多いエリアに住んでいることもあって、日本人家庭で開催されるホームパーティーには月に1度くらいの頻度で招かれています。そのほか、アメリカ人家族が開催するサンクスギビングやJuly4thなどのホームパーティーに参加しています。自ら主催するときは日本人家族を招くことが多いですね。
(Yさん)私はNY郊外に住んでいます。日本人があまり多くない地域ということもあって、ホームパーティーに参加するのも主催するのも、日本人以外の方が多いですね。
そもそも何をホームパーティーと呼ぶ?…何か定義があるのでしょうか?
(Iさん、Yさん)うーん…難しい質問…。
(Iさん)これといった定義はあんまりない気がするけれど…アメリカの定番だと、サンクスギビング、July4th、ハロウィンなど、特別なオケージョンの時に集まる感じかな?
(Yさん)特に目立ったイベントはないけれど、ママたちが集まってランチ会しましょう!みたいなinvitationを受け取ることもあります。
(Iさん)invitation といえば、オンラインで招待状を受け取る機会も日本より多い気がします。バースデーパーティーをはじめ、ハロウィンとかサンクスギビング、お父さんだけのサッカー観戦なんかもありますよね。もちろん、invitation なしで携帯のショートメッセージで気軽にお誘いが届くこともあるから、カジュアルなパーティーについては定義はあまりないかもしれませんね。
開始時間と終了時間について
(Yさん)私は時間通りに到着しないように心がけています。日本でも家にお呼ばれする際には少し遅れて到着することを意識するように、こちらでもパーティーの開始時間から15分ほど遅れて参加しています。
(Iさん)30分以上経ってから来る人も珍しくないですよね。
(Yさん)終了時間については、あまり意識することはないですが、あまり長居しすぎないように、周りの様子を伺う感じでしょうかね。
(Iさん)invitation に終了時間が書いている場合は、その時間がきたら帰るようにしています。でもほとんどのパーティーが自由な雰囲気だと思います。早く帰ってもあまり失礼にはあたらない気がします。どんなタイミングで帰る場合にも、主催者の方への挨拶は忘れないようにしています。
パーティーでの服装について
(Iさん)オケージョンによって服装も様々だけれど、カジュアルなパーティーだとジーンズでも大丈夫だと思います。私は普段のカジュアルな服装に大ぶりのピアスやネックレスなどアクセサリーを取り入れて、少し華やかな感じにするのが定番かな。
(Yさん)私もカジュアルな服装が多いです。デニムはブラックデニムを選ぶようにしていて、そこにスカーフで鮮やかな色を取り入れるようにしています。仕事関係のホームパーティーなどにあまり参加したことがないんですが、Iさんはどうですか?
(Iさん)仕事関係の上司の家に招かれる時は、カジュアルになりすぎないワンピースを選ぶことが多いです。バーベキューなどの野外イベントは、夕方になると急に寒くなったりするので、羽織れるものは必ず持って行くようにしています。
(Yさん)私が参加したホームパーティーでは靴を脱ぐ機会が多い印象ですが、Iさんはどうですか?
(Iさん)確かに、現地の方でも靴を脱ぐ方が多い印象。ただ、一人暮らしの方だと、土足のまま生活されている方もいらっしゃるので、主催者に聞いてみるのがいいですね。
手土産について
(Yさん)アメリカに来たばかりの頃、焼き菓子の詰め合わせやクッキー缶など、日本では手土産となるような定番商品が少ないことに驚きました。今は手土産を選ぶのも慣れたのでそれぞれのパーティーに合わせて買い求めていますが、Iさんはどうですか?
(Iさん)確かに、日本のデパ地下で買えるような商品があまりないですよね。私の場合は、ワインを持って行くことが多いです。予算的には、ワインは20ドル前後ぐらいで、これにチップスやチーズなどを合わせて全体的には30から50ドルくらいまでに収まります。子供がいる場合は、ベリー系などのフルーツやカットフルーツを持って行くこともあります。ワイン選びは、vivinoというアプリを利用しています。ボトルの写真を撮影するだけで、ワイナリーの情報や口コミを見ることができます。
(Yさん)私は車で参加する人が多いので、ノンアルコールドリンクにチーズやフルーツを組み合わせることが多いです。気をつけていることは、ナッツアレルギーの人が多いので、日本のお菓子などでナッツが入っているものは控えています。あと、豚肉を食べられない人もいるので、ポークエキスが入っているおつまみなども注意しています。
(Iさん)日本のお菓子やおつまみは食品表示などを見ると安心ですよね。私も現地の人に馴染みがないアイテムは控えるようにしています。一度スルメイカを持って行ったら、あまり人気がなかったという失敗もあるので…やっぱりみんなに馴染みのあるものが一番だなぁって思います。これは、手土産に限らず、パーティーを主催する時にも共通するポイントだと思っています。私がパーティーを主催するときは、唐揚げや照り焼きチキンなどが定番で、生魚系は出しません。手巻き寿司は、キュウリやアボカドなどシンプルな具材にしています。Yさんは何か定番のお料理はありますか?
(Yさん)私はランチ会を開くことがあるのですが、その際はクレープが定番です。包む具材を色々準備しておくだけで、それぞれが好きなものを巻いて食べられるので便利です。あとは、おにぎりも定番で人気ですね。中に入れる具材を何種類か用意して作っています。
会話のコツ
(Yさん)最後にホームパーティーのコツで一番大切だと思うのが主催者やゲストの方たちとの会話だと思うのですが、Iさんは何かコツなどありますか?
(Iさん)確かに、すごく大切ですよね。最初の方は緊張してなかなか会話に交わることができませんでした。私は料理が好きなので、パーティーで気に入ったメニューがあれば、レシピを聞いたりしていますよ。それぞれの国によって使うスパイスが違ったりするので、そういった違いも会話を盛り上げてくれます。
(Yさん)パーティーで出されている料理について話をするのは良いアイデアですね。レシピだけでなく、テーブルコーディネートやデコレーションなども会話を始めるきっかけに良いかもしれませんね。あとは定番ですが、近々行われるイベントについて会話が盛り上がることもありますよね。
(Iさん)今の時期だったらサンクスギビングの過ごし方などは話題に出やすいですよね。会話をすることってなかなかハードルが高いイメージですが、ある程度想定しておくとリラックスして楽しい時間を過ごせると思います。
(Yさん)日本よりもパーティーに参加する機会は多いですが、気負わずに楽しめたら良いですよね。
(Iさん)現場で驚くことや、失敗もあるかもしれないけれど、皆一緒に楽しもうという気持ちがあれば大丈夫です!
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