韓国・梨泰院の遺族、苦しみ訴え

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共同通信
29日、ソウル・梨泰院の雑踏事故から2年となり、現場に花を手向ける人々(共同)

 【ソウル共同】韓国ソウルの繁華街・梨泰院で日本人2人を含む若者ら159人が亡くなった雑踏事故から29日で2年となり、ソウルの国会で追悼式が開かれた。遺族や議員が黙とうし、遺影の前に献花した。遺族会の李正敏運営委員長は、一部の人たちが「現場に遊びに行ったのが悪い」などと主張することが「子どもを失ったのと同じくらい苦しい」と訴えた。

 犠牲になった留学生冨川芽生さん=当時(26)=の遺族も参加した。

 事故現場では、追悼に訪れた人々が花を手向けた。ソウルの金明順さん(76)は「亡くなった子たちの無念さを思うと胸が痛い」と涙を浮かべた。男性会社員(35)は「悲劇を決して忘れないと誓いに来た」と話した。

 革新系野党選出の禹元植国会議長は追悼式で、9月に活動を開始した特別調査委員会で事故の詳細を追及すると強調。保守系野党の千ハラム議員が「尹錫悦大統領は(警察を監督する)李祥敏行政安全相を今からでも更迭し、責任者に責任を取らせなかったことを謝罪せよ」と述べると、遺族らから拍手が起こった。