NYの信号無視歩行、ついに合法化 取り締まりが人種差別的との批判 

 

NYの信号無視歩行「ジェイウォーク」
ついに合法化

取り締まりが人種差別的との批判 

 

小さな子どもがいても、青信号になる前から渡り始めて、青になったころには反対側に着く勢いは、ニューヨーク独特。ニューヨーカー以外のアメリカ人はジェイウォークという言葉も知らない(31日、クィーンズ) Photo by Keiko Tsuyama
ニューヨーク市内で、横断歩道のない車道を横切ったり、赤信号を無視して横断歩道を渡ったりする「ジェイウォーキング」が合法化される。取り締まりが黒人やラテン系市民を標的とし、人種差別的との批判があった。PIX11が30日、伝えた。
 
合法化法案は今年2月28日に市議会で審議が始まり、9月26日に可決された。アダムズ市長は30日以内に拒否権を発動しなかった。これにより120日後に発効する。この法案を提出したメルセデス・ナルシス市議(民主、ブルックリン選出)は「ニューヨーカーなら誰でもジェイウォーキングをしている。それが現実だ」と指摘。「誰でもしている行動を犯罪とする法律は存在すべきではない。黒人やラテン系市民に不公平なものはなおさらだ」と続けた。

市内でジェイウォーキングが違法となったのは1958年。自動車が普及し始め、交通事故死が増えてきたのに対応した。違反者には召喚状が発行され、最高300ドルの罰金刑を受ける。

市民生活に関するサイト「Streetblog NYC」によると、ニューヨーク市警察(NYPD)は昨年、ジェイウォーキングで召喚状を467通発行した。そのうち92%が黒人またはラテン系市民に対するものだった。非営利団体「リーガル・エイド・ソサエティー」も「NYPDは数十年にわたり、特に有色人種の市民を標的とした職務質問『ストップ・アンド・フリスク』の手段に使ってきた」と説明。「ジェイウォーキング取り締まりのような、市民を罠にかけて罪に陥れようとする旧態依然の法律は今後も廃止されるべきだ」と訴えた。

ただし、ジェイウォーキングが交通事故死につながる危険行為であるのも事実。市の統計によると、過去5年間で約200人がジェイウォーキング中に死亡している。歩行者の死亡事故の約34%に上る。
 
編集部のつぶやき「信号無視をしてこそ…」
 
ジェイウォークは、ニューヨークに来てから初めて受けた “洗礼” でした。「ジェイウォークができないとニューヨーカーじゃないよ?」と、言わんばかりの彼らの歩きっぷり。というか、ジェイウォークって言葉はどこから来ているんですかね。由来には諸説があるそうですが、その中には「Japaneseの『J』から来ている!」と言っているものもある・・・謎が多いぜ、ジェイウォーク!(MN)

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