共同通信

青森県最高峰の岩木山(1625メートル)を水面に映す、同県鶴田町の廻堰大溜池(通称津軽富士見湖)に架かる「鶴の舞橋」。町によると、木造の三連太鼓橋としては日本一の全長300メートルを誇る。1994年の完成から30年たち、現在は大規模な改修工事中だ。町は改修で出る廃材を箸などに再利用する取り組みを始め、人気を集めている。(共同通信=赤羽柚美)
鶴の舞橋は、橋脚に樹齢150年以上の青森ヒバが700本使われている。農業用ため池の水環境整備事業として国、県の補助で2億6千万円をかけて造られた。
湖畔にある2カ所の公園をつなぎ、岩木山の姿を望める歩行者用の同橋は観光スポットに。さらに2016年、俳優吉永小百合さんが出演するコマーシャルで紹介されると、県外客も増加した。しかし近年は木材に傷みが見られ、2023~25年度にわたる大規模改修を実施中。9月から翌年3月は通行止めになっている。
改修で課題となるのが廃材の扱い。町商工観光課の藤田隆宏課長補佐は「SDGs(持続可能な開発目標)の時代に、貴重なヒバを有効に活用できないかと考えた」と振り返る。そこで目指したのは、廃材を付加価値のある商品に生まれ変わらせる「アップサイクル」だった。
2023年度に出た廃材から厚みのある物などを選別。同県大鰐町の加工業者に依頼し箸や、酒器の丸升、コップを製造した。
箸は駄じゃれで「鶴のマイ箸」と命名。持ち手部分の「ながーいきの橋」の刻字は「長い木」と「長生き」を掛けている。町内の道の駅「鶴の里あるじゃ」と富士見湖パークの売店で販売し、「縁起の良いお土産として喜ばれている」(藤田課長補佐)という。
スプーンや皿を試作しており、本年度の廃材で新商品を作製する。売り上げの一部は橋の維持管理費に充当する方向。アップサイクルで廃材も橋も長生きできそうだ。


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