飲食店の雇用者数、コロナ前に回帰
グラセン周辺、大物経営者引き寄せる
ニューヨーク市内にあるレストランやバーなどの飲食店で、雇用人数は直近数カ月平均で約32万3千人に上り、新型コロナウイルスの感染拡大前である2019年の記録的な水準にほぼ回帰している。とりわけ、グランド・セントラル・ターミナル周辺は、近隣企業が出社要件を厳格化したことに加え、ロングアイランド鉄道の乗り入れもあり、人通りが増えたため、大物レストラン経営者を引き寄せている。ザ・シティが5日、伝えた。
シェフのフランクリン・ベッカー氏とパートナーのスティーブン・ロフレド氏は700万ドルを投じて、同ターミナルに隣接するメットライフ・ビルにシーフードレストラン「ポイント・セブン」を出店した。昨年のオープン時は、パンデミックでゴーストタウンと化した同ビルオフィスタワーで、閉鎖されたスペースに再入居した最初のレストランだった。実際のところ、同店はビジネスパーソンが集まる火、水、木各曜日のランチとディナーが最も混雑したという。
不動産関係者は、現在最も注目すべきはビジネス地区だとして、グラセン以外のほか、ミッドタウン・イーストやプラザ地区などを挙げる。ユニオン・スクエアでは、空き店舗を確保する動きが進んでおり、今年1~9月には前年同時期の2倍に相当する13件の飲食店リースが成約した。