星槎中学高等学校・北斗校と文化交流
NJ補習授業校
横浜市の星槎(せいさ)中学高等学校および星槎学園北斗校の生徒50人が10月19日、ニュージャージ補習授業校(ニュージャージー州パラマス、小田切利幸校長)を訪れた。訪問は、ニューヨーク海外研修プログラムの一環で、昨年に続く2回目。
当日は、幼児部とはソーラン節を踊って交流を深め、中等部による学習発表「日本の自殺率、身体障碍者への対応」を聴講したのち、日米文化の違いについて意見を交換した。ニュージャージー補習授業校の生徒たちからは「最初はお互い少し緊張していたが、すぐに打ち解けて、たくさん会話ができた」「たくさん笑いあって、日本の中高生と触れ合える貴重な機会となり、とてもうれしかった」「短い間だったが、他では得られない経験になった」などの感想が聞かれた。
今年で9回目となるこの5泊6日のプログラムでは、ニュージャージー補習授業校をはじめ、ノーザン・バレー・オールド・タッパン校(NVOT校)で学生交流をした他、国連アフリカ担当特別顧問事務所(UN OSAA)での発表、自由の女神、セントラルパーク、アメリカ自然史博物館、グラウンド・ゼロなどを訪問した。
UN OSAAでは、SDGsに関連し、日本の伝統的食材である豆腐を作る際にでる「おから」について発表した。おからは栄養豊富な食材でありながら活用法が周知されていないことに加えて、消費期限が2~3日しかないために年間生産量の1%しか活用されていない。これらの課題を克服する方法として、おからのクッキーを考案し、食糧危機のアフリカ諸国へ寄付を検討していることを説明、11月に第10回目となる星槎アフリカ・アジア・ブリッジ(Seisa Africa Asia Bridge)で、おからの店を出し、アフリカ各国の大使館員など多くの人たちに試食してもらう企画も発表した。
ニューヨーク海外研修プログラムに参加し、将来は日本の文化を伝える仕事に就きたいという舟木めぐみさん(高1)は、「今回が初めての海外旅行だったが、アメリカ人のフレンドリーさに驚いた。NVOT校では廊下を歩いていても声をかけてくれるし、ギフトショップでもスタッフが友達のように話しかけてきてくれる」と、うれしそうに話した。昨年に続き今年は弟と一緒に参加、将来の夢はツアーガイドだという柳田光月君(高2)は、「今年で2回目ということもあり、だいぶ慣れて(さまざまな行事に)臨めている。逆にニューヨークの自由な雰囲気の方が落ち着く」と頼もしい表情を見せた。
星槎学園北斗校の矢吹勝彌校長は、「生徒たちは今回の研修のために半年ほどかけて準備をしてきたが、それらの成果をきちんと発揮できて非常に心強く感じている。UN OSAAでは、世界の中心機関である国連の方々から直接「もっと若者の参加が必要だし、君たちはパートナーだ」と言われたことで、生徒たちも“新しい自分”を考える非常にいい機会になった」と話した。(取材・文/武田秀俊、写真も)