医師確保に「出勤前サーフィン」PR

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共同通信
徳島県牟岐町の県立海部病院で看護師として働く奥井絵理香さん=4日

 医師の平均年齢が全国で最も高く、都市部への偏在で医師不足に陥っている徳島県が出勤前にサーフィンができる環境を前面に打ち出し、医師の誘致に乗り出した。県南部にある全国屈指のサーフスポットで仕事との両立ができるとPR。来秋には医療従事者を対象にサーフィンの全国大会を開く予定だ。(共同通信=別宮裕智)

 厚生労働省によると、2022年末時点の医療機関で働く人口10万人当たりの医師数は335.7人で、徳島県は全国トップだ。だが医師の平均年齢は54.2歳。県によると、徳島市に全体の52.22%が集中する。

 徳島県は今年8月、県サーフィン連盟と協定を締結した。牟岐町の内妻海岸に近い県立海部病院に着目。出勤前にサーフィンをするといった働き方を発信し「サーフ・ホスピタル」としてブランド化を目指す。

 昨年8月に海部病院に就職した看護師の奥井絵理香さん(45)は趣味のサーフィンで知り合った夫と、牟岐町に隣接する海陽町に移住した。暖かい気候や豊かな自然の中でのサーフィンに魅力を感じたという。休日にサーフィンを楽しんでいるが「働き方改革で週3~4日できるようになれば」と期待する。

 今年3月、サーフィン専門雑誌に求人広告を出したのは海陽町立海南病院と阿南市の阿南医療センターだ。

 4月から週1度、海南病院で非常勤で働く医師吉永孝優さん(30)は、月曜の朝5時から約3時間波に乗った後出勤する。今は岡山県笠岡市の病院勤務だが、将来的には徳島県への移住を考えており「若い世代の医師には半年間でも研修などで徳島に来て、魅力を知ってもらいたい」と語った。