NYクリスマスツリーに秘められた物語
12月4日の点灯式は「亡き妻と一緒に」
ニューヨークの冬の風物詩、ロックフェラーセンターのクリスマスツリー。今年のツリーには秘められた物語がある。NBCのトゥデイが8日、伝えた。
このノルウェースプルース(欧州唐檜)を植えたのはマサチューセッツ州ウエストストックブリッジに住むアール・アルバートさんと妻のレスリーさん。新婚ほやほやの1967年のことだった。高さは腰に届くほどだったが、57年後の今日、74フィート(約22.5メートル)に育った。「低かった頃は飾りを付けていたが、今ではとても無理」とアールさんはインタビューに答えている。
ロックフェラーセンターの主席庭師、レリック・ポウズさんがこの木に目をつけ、寄付してもらうためにアルバートさん宅を訪れたのは2020年。息子のマイケルさんは、「天使が来たかと思った」という。この木を愛で、家族で祝うクリスマスを楽しみにしていたレスリーさんが亡くなって数日後のことだったからだ。「レスリーさんが(ポウズさんを)送り込んだに違いない」と、マイケルさんの妻のショーンさん。
クリスマスツリーにはカラフルなLED電球5万個と、てっぺんには3個のダイヤが埋め込まれたスワロフスキー製のスターが飾られる。昨年のツリーを寄付したマッギンレーさん一家からは「点灯式の興奮は忘れられない。背筋がゾクゾクするわよ」とのカードが届いた。
12月4日の今年の点灯式にアルバートさん一家も呼ばれている。「心の中で妻も一緒」とアールさん。「天国でワクワクしているに違いない」と亡き妻に想いを馳せる。マイケルさんも「母の最高の追悼になる。私たちの新しい門出だ」と話す。一家はこの木が生えていた場所にレスリーさんの記念碑を建てる予定だ。