ロシア軍猛攻、制圧地急拡大

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共同通信
ウクライナ東部ドネツク州のチャソフヤール近くで、ロシア軍側に向けて砲撃するウクライナ兵士=13日(ウクライナ軍提供、ロイター=共同)

 【キーウ共同】ロシアがウクライナ東部で攻勢を強めている。10月に制圧した面積は侵攻を始めた2022年2月以来最大となった。ロシア軍は甚大な人的損失をいとわない猛攻で、ドネツク州の要衝ポクロウシクまで数キロに接近。同州クラホベと併せて2方面を攻略し州全域制圧へ弾みをつける考え。ウクライナのゼレンスキー大統領は両方面が「最も困難な状況だ」と危機感を強める。

 英BBC放送によると、10月にロシア軍は約20の集落を制圧。正面を迂回して敵を包囲し防御を破壊する「かみ砕き」戦術で制圧地域を広げた。ウクライナ軍幹部は、兵員不足や武器枯渇で「戦線が崩壊しつつある」と述べ、劣勢を認めた。

 ウクライナ軍はロシア西部クルスク州で越境攻撃を始めた8月以降、ドネツク州などで防御態勢が手薄になった。ロシア軍は進軍ペースを上げ、同州ウグレダルや、ポクロウシク南東約16キロのセリドベを次々掌握した。

 10月は東部ハリコフ州でもロシア軍が前進。22年9月にウクライナ軍が奪還した要衝クピャンスクまで3キロに迫り再制圧の恐れが高まっている。