水道水へのフッ素添加廃止の動き主流に
ケネディJr. 氏、厚生長官指名で
ロバート・F・ケネディJr. 氏がトランプ次期大統領から厚生長官に指名されたことで、以前は主流派ではなかった水道水へのフッ素添加廃止の動きが注目を集めている。大統領選直前、トランプ氏支持者のケネディJr. 氏は、トランプ氏が再選されれば、地域の水道システムに公共の水からフッ素を除去するよう助言すると公約した。指名を受け、この問題がトランプ次期政権の政策課題に浮上している。ニューヨーク・タイムズが15日、伝えた。
米国では1945年以来、歯の強化と虫歯予防のため水道水にフッ素が添加されている。ただ、安全性への懸念や陰謀論などさまざまな理由から、その是非を巡る論争が展開されてきた。米疾病対策センター(CDC)は四半世紀前、水道水のフッ素化が20世紀における最大の公衆衛生上の功績の1つだと宣言し、虫歯や歯の腐食の劇的な減少を指摘した。しかし、体内に蓄積される毒素や物質に対する国民の懸念の高まりに加え、パンデミック時に米国の公衆衛生制度への信頼が揺らいだことをきっかけに、フッ素をめぐる議論に変化が生じてきた。
フッ素の過剰摂取が歯を着色することや、骨を弱らせ関節痛を引き起こす骨フッ素症の原因となることは以前から知られている。フッ素摂取量の増加が、脳の発達にもたらすリスクについての研究結果も出ている。