NYミッドタウンで通り魔事件、3人死亡
ナイフで殺傷、容疑者を拘束
ニューヨーク・マンハッタンで18日朝、連続無差別通り魔事件が発生。3人が死亡した。ニューヨーク市警察(NYPD)は容疑者の男の身柄を拘束した。19日、ニューヨークタイムズが伝えた。
NYPDによると、午前8時半ごろ、東19丁目と10番街の角で建設従業者(36)が近づいてきた男に突然腹部を刃物で刺されて死亡。午前11時には東30丁目のイーストリバーで釣りをしていた男性(67)が、同じく刃物で刺されて亡くなった。その約1時間後、42丁目と1番街の国連付近にいた36歳の女性が刺され、搬送先の病院で死亡が確認された。
最後の事件を目撃したタクシー運転手が容疑者を追いかけ、NYPDに通報。警官が駆けつけてこの男を拘束した。男は返り血を浴びており、血のついたナイフを2本所持していた。男はラモン・リベラ容疑者(51)。第1級殺人3件の疑いがかけられている。NYPDによると、同容疑者は過去に万引きなどで8回逮捕されたことがある。この10月にも窃盗容疑で捕まった。フロリダ州でも2006年以降、数回逮捕され、ホームレスとみられている。
アダムズ市長は記者会見で「容疑者がなぜ釈放されたかは不可解。重篤な精神疾患も抱えていた」とコメント。「全く罪のない市民3人が命を落としたのは心が痛む。司法制度と精神疾患問題が市民を裏切る状態にある」と続けた。
市内の犯罪は統計上、昨年に比べて微増している。しかし今回のような白昼の連続殺人事件が起こると、市民は安全性を疑問視せざるを得なくなる。しかも加害者と被害者に接点はなく、全くの無差別だ。2つ目の現場近くに住むケビン・オキーフさんは3人のティーンエイジャーの父親で、コミュニティーボードのメンバーでもある。「この辺りは安全なコミュニティだと思っていた。だからこのような事件は市民の心を突き刺す」と話している。