初の海外はNYで
日本人形の「久月」が展覧会
「職人が高齢化」の背景も

◆「人形は日本の伝統工芸の集まり」
会場には日本の伝統技術を駆使した雛人形や五月人形、


週末も多くの人でにぎわったという今回の開催のきっかけについて横山さんは「人形は日本の伝統工芸の集まりなんです。いろんな技術の集積なので、そこを見ていただけたら面白いなと思いますし、人形は能や歌舞伎などの伝統芸能とも深い関わりがありますので、ここに来れば日本の伝統工芸も芸能も全てそろっているんです」と、見どころを語る。
「しかし、職人さんが高齢化して後継者問題が深刻になっている。また、国内から海外へとマーケットを広げないといけないということもあり、今回は私たちから展覧会を提案しました。現地の人たちからの反応を見る良い機会になればと思っています」
◆ 2年前から始めたキャラコラボ「より多くの人に」
長い歴史と実績を持ちながらも後継者不足に悩まされる同社。「より多くの人に知ってもらいたい」という思いから “キャラクターコラボ” にも2年前から力を入れ始め、会場内でもクラシックな日本人形の中で、伝統と現代が入り混じったクリエイティビティが異彩を放っていた。

キャラクターものへの参入のきっかけとなった漫画「ワンピース」の花魁・小紫の人形のほか、世界中で絶大なる人気を誇る「スターウォーズ」からも「ヨーダ」「ダースベーダー」「ストームトルーパー」の押し絵羽子板がラインアップ。ライセンスコラボをする上では「相手に伝統技術を理解してもらうことが難しいんです」と横山さん。

「作品をどういった技術に反映させていくか? 見せ方をどうするか? といった点も難しいですが、まずライセンスを出す方も “伝統技術” が分からないので、どれができて、できないかと地道な話し合いからスタートするんです」 長きにわたって受け継がれてきた伝統工芸品も「生き残るため」に既存の良さをそのままに進化を続ける。
今回のニューヨークでの展覧会を通して、アメリカ文化やトレンドと混じり合ことで「新たな日本人形の世界」が生まれるかもしれない。開館時間は10時〜18時まで。
取材・文・写真/ナガタミユ
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