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共同通信
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17日投開票の兵庫県知事選は、交流サイト(SNS)が選挙情報を発信・取得する有力な手段として活用され、当落の鍵を握った。疑惑告発文書を巡り失職した斎藤元彦知事(47)を「既得権益と闘っている」と称賛する投稿が増え、再選の一因になったとみられる。真偽不明の内容も拡散し、対立候補は対応に苦慮。識者は「選挙を通じ民主主義社会の分断が進みかねない」と懸念する。
「巨悪と闘う斎藤さん頑張って」「県議会にはめられた」。Xでは選挙中、斎藤氏への擁護と、対立した県議会などへの批判が飛び交った。結論が出ていない斎藤氏のパワハラ疑惑を「なかった」と断言する記述も。
実際には県議会調査特別委員会(百条委員会)で斎藤氏は、出張先で公用車から降り約20m歩かされ、職員を怒鳴ったとされる行為を認めた。その上で「必要な指導だった。パワハラかどうかは百条委が判断すること」と釈明していた。
メディアへの不信感も斎藤氏支持者の中で渦巻いた。「テレビ報道がおかしかったとユーチューブで知った」と神戸市の50代女性は話す。