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共同通信
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【ニューデリー共同】インドの首都ニューデリーで、深刻な大気汚染を緩和しようと大砲状の装置から散水する車両が登場した。地元メディアによると、ひどい日には1日にたばこを49本吸うのと同じくらい健康に有害とされるレベルの汚染。人工降雨の案も一部で浮上したが、対策の空回りが続いている。
ニューデリーの車道を大砲のような装置を後部に搭載した車両が、霧状の水をまきながら走行する。汚染物質を含む粉じんが舞い上がるのを抑える目的でニューデリーを抱えるデリー首都圏政府が今月導入し、200台を配備するという。
首都圏政府のライ環境相は毎日3交代で継続的に散水し、汚染がひどい「ホットスポット」には特別散水を実施すると鼻息が荒い。しかし、散水の様子を見たタクシー運転手の男性は「あれだけの水量では、うちのシャワーと変わらない」と大笑いしていた。
ニューデリーや近郊の大気汚染は、10~2月ごろに特にひどくなる。農地の野焼きや車の排ガス、工場の煙などが原因とされ、街中は白いスモッグに覆われて視界が極端に悪くなる。