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共同通信
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財務省が9日発表した10月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支の黒字額は前年同月比13.0%減の2兆4569億円だった。知的財産権の使用料の受け取りが減少したのに伴いサービス収支が赤字となったのが主な要因だ。黒字は21カ月連続。
旅行や貨物輸送を含むサービス収支は1590億円の赤字だった。前年同月は4494億円の黒字。ただインバウンド(訪日客)の拡大を背景に、訪日客が日本で使った消費額から日本人が海外旅行で消費した金額を引いた旅行収支は5087億円の黒字で、10月として過去最大となった。
輸出から輸入を差し引いた貿易収支の赤字額は1557億円だった。輸出は半導体等製造装置が伸びたことで2.9%増の9兆3655億円。輸入は原粗油や石炭が減少し、0.7%減の9兆5212億円となった。
海外での投資に伴う配当が増加したことなどが追い風となり、第1次所得収支は1.8%増の3兆2541億円の黒字で、10月として過去最大だった。