NY黒人制圧死で白人被告無罪

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共同通信
9日、米ニューヨークの裁判所内を歩く元海兵隊員ダニエル・ペニー被告(ロイター=共同)

 【ニューヨーク共同】米ニューヨークの地下鉄で昨年、ホームレスの黒人男性を制圧しようと首を絞め、死亡させたとして過失致死罪などに問われた白人の元海兵隊員ダニエル・ペニー被告(26)について、州地裁の陪審は9日、無罪評決を下した。米メディアが伝えた。

 死亡したジョーダン・ニーリーさん=当時(30)=が地下鉄内で大声を上げるなどしており、他の乗客を守るためだったと主張する被告を称賛する声がある一方、黒人の社会的弱者に対する過剰な暴力という批判も出ており、人種問題に発展することが懸念される。

 陪審は3日に評議に入ったが難航。判事はより重い故殺(危険な行動による致死)罪を取り下げ、過失致死罪のみを評議するよう指示していた。

 ニーリーさんは昨年5月、地下鉄内で他の乗客に食べ物を無心して上着をたたきつけ、大声で叫んでいたところ、ペニー被告に背後から腕で約6分間にわたって首を絞められ、死亡した。

 検察は、被告が乗客の避難後も首を絞め続け「やり過ぎだった」と強調。弁護側はニーリーさんが周囲に危害を加える恐れがあり、被告が命がけで乗客を守ったと訴えた。