シリア暫定政府樹立へ

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共同通信
10日、シリアの首都ダマスカスで、アサド前大統領のポスターを踏みつける男性(ロイター=共同)

 【カイロ共同】シリアのアサド政権を崩壊させた反体制派は10日、来年3月1日まで統治する暫定政府を樹立すると明らかにした。中東メディアが伝えた。アサド政権のジャラリ首相は9日、反体制派を主導する過激派「シリア解放機構(HTS)」のジャウラニ指導者と協議、権力の委譲で合意していた。

 権力が委譲されるのは、内戦下で北西部イドリブ県を拠点とした反体制派が行政機構として設立した「シリア救国政府」で、救国政府トップのムハンマド・バシル氏が10日、HTSから暫定政府の首相に任命されたと明らかにした。権限など詳細は不明。

 円滑な権力委譲が焦点だが、イスラエル軍がシリア空爆を続けるなど混乱は続いており先行きは不透明だ。

 HTSは10日、アサド政権下で市民への拷問に関与した軍関係者らの責任を追及する方針を示した。反体制派の掌握以降、ダマスカスで大きな戦闘は伝えられていない。各国に逃れたシリア難民の帰還も始まった。AP通信は一部政府機関が業務を停止し、人道支援に影響が出ていると伝えた。