アメリカの児童・生徒、数学の成績低下
コロナ禍の学校閉鎖も一因
アメリカ在住の4年生と8年生(中2)の数学の成績が低下している。2023年に世界で実施された大規模テスト「TIMSS」の結果を見ると、前回19年から国際順位が後退した。全米を襲ったパンデミックの影響で、学校が長期間にわたって閉鎖されたのも一因とみられている。ウォール・ストリート・ジャーナルが4日、伝えた。
TIMSSは、アメリカに加えて世界数十カ国の小4と中2を対象とした、数学と理科の幅広い理解度を測定するテスト。8年生の数学は45カ国中24位、4年生の理科は63カ国中、15位と低迷した。アメリカより順位を上げたのは、数学ではフィンランド、理科は英国、4年生ではポーランドが両教科とも上昇した。また、高得点を残した国にはシンガポール、日本、英国が含まれる。
ユネスコの分析によれば、アメリカは欧州を含む他国よりも学校閉鎖の期間が長かった。アメリカ教育省の幹部は今回の結果を「落ち込みは急激で、険しい。パンデミックによる影響だけではない」と指摘。コロナ禍から正常な状態に戻って久しいものの、教師の離職増や、児童・生徒の素行不良や欠席が急激に増えたことも相まっているという。 トランプ次期大統領は、アメリカの教育システムを批判し、教育省の廃止に言及している。