アメリカ人労働者の「基本的スキル」劣る
教育歴低い16~65歳対象の調査
「より多くの大人が底辺に集まってきている」
アメリカの労働者は、複雑な旅行日程の作成や、体温計の読み取り、ウェブサイトからの情報検索などの基本的なスキルに関して他国の労働者より劣っているー。こんな国際調査結果がこのほど明らかになった。教育歴が低い16〜65歳の労働者は、文章から物事を推論したり、分数を扱ったり、空間的推論を適用などにおける能力が欠如しているという。ウォール・ストリート・ジャーナルが10日、伝えた。
調査結果に基づいたテストは、31カ国を対象に実施。初回は2012~14年に行われた後、17年、23年とこれまで3回実施され、最新となる23年のテストでは、アメリカは読解記述能力で14位、問題解決能力で15位、数的思考能力で24位と低迷した。日本をはじめ、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、オランダ、エストニア、ベルギー、デンマークの8カ国は3つのカテゴリーすべてでトップだった。
初回のテスト以来、デンマーク、イギリス、カナダ、ドイツは読解記述能力でアメリカを上回り続けている。また、シンガポール、アイルランド、フランスは数的思考能力でアメリカより上位にいる。教育省の幹部は「アメリカでは、スキルという点において、中間層が減少している。そして、時間の経過とともに、より多くの大人が底辺に集まってきている」と指摘。雇用主が、基本的な思考ができる労働者を採用するのに苦労する可能性も示唆されている。