マスク氏の影響拡大に警戒感

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共同通信
イーロン・マスク氏(ゲッティ=共同)

 【ワシントン共同】トランプ次期米大統領と急速に関係を深める実業家イーロン・マスク氏が、議会の与野党指導部が合意した来年3月までの政府支出を賄うつなぎ予算案にX上で反対運動を展開し、頓挫させた。民主党指導部は19日、民間人に過ぎないマスク氏の介入を批判し、影響力拡大を警戒。共和党の一部でも戸惑いの声が上がっている。

 マスク氏は18日朝から、前日公表されたつなぎ予算案に反対する投稿を繰り返した。「賛成する議員は、(中間選挙がある)2年後には落選に値する」と共和党議員に圧力をかけ、フォロワーに電話で反対の声を議員に伝えるよう呼びかけた。

 マスク氏の主張は幅広く拡散した。トランプ氏が18日夕、マスク氏に続いて反対表明したことが決定打となり、20日の現行予算の期限直前に合意は白紙となった。マスク氏はXで「民意の勝利だ」と誇示した。

 米メディアによると、共和党のバー下院議員は「今日は電話が殺到した。私たちを選んだ人々はマスク氏に耳を傾けている」と指摘。合意を支持していた党内の一部は政府運営を理解していないと不快感を示した。