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共同通信
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岩手県北部の八幡平市が、豊富な地熱資源の積極活用に乗り出している。扱う電力は全て地熱という全国初の地域電力新会社「はちまんたいジオパワー」を設立し、2025年2月に事業開始を予定。再生可能エネルギーの地産地消を進めて地熱活用の「先進地」をアピールし、企業誘致や地元産業の活性化にもつなげたい考えだ。(共同通信=日高将)
地熱発電は、同じ再エネでも日照時間に左右される太陽光や、河川水量の影響を受ける水力に比べ安定的な供給が特徴とされる。八幡平市のように寒冷な地域では、外気温との差で出力が高くなるメリットもある。
岩手山などの火山群に近い同市は地熱資源の豊かさで知られ、1966年には全国初の商用地熱発電所「松川地熱発電所」が運転を開始した。現在市内で3施設がある。寒さに弱いバジルの栽培や、蒸気で衣類を染める「蒸気染め」などにも地熱が利用されている。
新会社は、電力小売り会社「アーバンエナジー」(横浜市)や地元の岩手銀行など官民共同出資により、2024年7月に設立した。八幡平市内の「松尾八幡平地熱発電所」などから電力を調達する予定。市役所や小中学校など市内50カ所以上の公共施設に供給する計画だ。
さらに今後、民間事業者などへの供給も進めることで「地熱活用」を国内外にPRし、企業の誘致や産業育成を図る。
市は、公共施設での地熱発電利用などにより二酸化炭素(CO2)排出量を削減でき、2031年度の温室効果ガス総排出量を2013年度比で49%削減する目標の実現にも役立つとみている。
市まちづくり推進課の工藤輝樹さんは「隣接する自治体にも電力を供給し、県北部エリアに再エネ活用の動きを広げたい」と語った。
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