共同通信

茨城県つくば市の筑波メディカルセンター病院は、研修医が架空の設定で患者の診断や治療を施し、その技能や処置にかかった時間を競う大会「メディカルラリー」を取り入れている。技能向上が狙いで研修医向けは全国的に珍しい。入院患者の急変対応や小児科の診療のほか、災害現場の対応にも挑戦し、疑似的な現場で経験を積むことで成長を促す狙いだ。(共同通信=小林笙子)
「助けてください。足が痛いです」「歩けますか?」「この方は黄色で」。2024年11月、病院で開催されたラリーでは、目玉競技として、負傷者の治療の優先順位を判定し、赤や黄色のタグをつける「トリアージ」が実施された。物が散乱する倉庫内が現場で、棚卸し中に地震が発生し、負傷者多数という設定だ。医師が採点し、終了後に「それぞれの色の人が何人いるか、全体を把握する必要がある」と助言。研修医は「次のことを考えながら手を動かすのが大変だった」と振り返った。
メディカルラリーとは、災害や事故を生々しく再現した現場で、限られた時間内での処置や対応の技量を競う救急医療スタッフ向けイベントのこと。チェコ発祥で、日本では2002年に大阪府済生会千里病院千里救命救急センター(大阪府吹田市)が始めた。
筑波メディカルセンター病院では元救命救急センター長の大橋教良医師(77)が中心となり2013年から開催。研修医の1、2年生がペアとなり、チームワークも採点対象だ。詳細な設定は競技の直前に知らされ、その場で対応を考える必要がある。
筑波メディカルセンター病院は災害拠点病院に指定され、2011年の東日本大震災では災害派遣医療チーム(DMAT)の拠点になったこともある。大橋医師は「研修医として必要な技能を習得すると同時に、この病院のあり方や意義を知ってもらいたい」と力を込めた。


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