ニューヨークのチェルシー地区に1月30日、GOCA(Gallery of Contemporary Art)ギャラリーがオープンした。2400平方フィートの空間は、ギャラリー街の入り口となるハイラインの真下にある。


オープニングを飾るのは、奥田雄太さんの個展「カンシャ・ブーケ」。奥田さんは日本を拠点に活動しており、「コロナをきっかけに、当たり前だと感じていたことが、実は特別なことだったと気づいて、感謝をテーマにした」と、花束を力強い筆致で描いたシリーズで知られる。
「奥田さんの絵はアクリルで描いている上に、ペンで繊細な線を描いているのが、美術史的に新しく意義があるといえます」と、キュレーターである一ノ瀬健太さんは解説する。
GOCAギャラリーを運営するのは、東京を拠点として、ラグジュアリーブランドの店舗設計やホテル、大型商業施設など空間デザインを手がける企業、GARDE(ギャルド)だ。非営利団体を通じて、 若手アーティストたちを15年以上支援してきたが、「ここではアートを売っていきたい。ニューヨークはアートの中心地。日本とアジアの現代アートを世界に向けて発信する拠点となることを目指しています」と、室賢治代社長は語る。今までもホテルや商業施設にアートを納めてきた実績があり、日本人アーティストの伸び代は大きいという。
クリエイティブディレクターである岡田明憲さんは「世界のアート市場で、まだ日本人アーティストが占める割合は1%。これから伸びる日本の現代アーティストたちを支援して、新たなスターを生んでいきたい」と語る。
年内に3回の展覧会を予定しているが、今後は日本からだけでなく、ニューヨークを拠点とする日本人アーティストも取り上げていきたいという。3月15日(土)まで。
取材・文・写真/黒部エリ
GOCA
住所
515 W. 23rd St.(bet. 10th & 11th Aves.)
公式サイト
https://www.goca.gallery/


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