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アメリカのタクシーと救急車の運転手は、400以上に上る職業の中でもアルツハイマー病に起因する死亡率が最も低いことが分かった。運転手たちの多くは、GPSナビゲーションシステムが普及する前から働いており、自らの方向感覚を頼りにしていた。ウォール・ストリート・ジャーナルが昨年末、伝えた。

研究に当たったハーバード大学医学部のアヌパム・ジェナ教授(保健学)は、タクシーや救急車の運転手は、常にナビゲーションや空間処理を脳内で用いているため、アルツハイマー病の発症リスクが低いのではないかという仮説を立てている。同教授によると、道路が閉鎖されたり、通行止めになったりした際、「A地点からB地点までどのように移動するか」について、その場その場で判断。そのことによって、認知能力が保たれている可能性があるという。データ上では、タクシー運転手の1.03%、救急車運転手の0.91%がアルツハイマー病で死亡した一方、それ以外の職業に就いている人の死亡率は3.9%だった。
2000年の有名な研究によれば、ロンドンのタクシー運転手は海馬の一部が肥大していた。脳の海馬は、空間記憶やナビゲーション記憶など、多くの認知機能に重要な役割を果たしている。海馬は通常、アルツハイマー病が最初に冒される脳の部位の一つとされている。
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