共同通信

複雑で重層的な味わいが特徴のタイの名物エビスープ「トムヤムクン」が2024年12月に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録され、タイ文化省が観光促進につなげようと意気込んでいる。首都バンコクでは登録直後の週末に早速お祝いイベントを開催。観光客に「必食メニュー」としてアピールする。(共同通信バンコク支局=伊藤元輝)
トムヤムクンはタイ語で「煮る・混ぜる・エビ」の意味。スープを口に含むと、エビのうまみや唐辛子の辛み、レモングラスなどのハーブの香りや酸味が重なり合う。イベントに出展したタイ料理店チェーンの担当者ワッサナーさんは「登録は誇らしい。おいしく健康的なスープだ」と笑顔で語った。
タイ人の「母なる川」とも称されるチャオプラヤ川がトムヤムクンの発祥だ。バンコクを含む約2万平方キロの流域で、川で採れるエビを材料にスープが作られた。
文化省によると、1800年代には源流となる料理が食されていたとみられる。1962年に当時のプミポン国王に供された記録があり、64年には王室公式の書物に料理名として「トムヤムクン」が登場し、材料や作り方が紹介された。
ポテトチップスや即席麺の味付けとしても人気で、世界的な認知度も上がっている。文化省が発行したトムヤムクンの紹介冊子にはアレンジメニューとしてスープにうどんの麺を入れた「トムヤムクンうどん」も写真付きで掲載された。
ペートンタン首相は「タイで世代を超えて受け継がれ、世界的に有名になった料理だ」と登録を歓迎。観光促進やソフトパワーの強化は政権の重点政策で「無形文化遺産」でお墨付きを得たトムヤムクンを国際的なPRの目玉に位置づける。文化省は「タイ観光で必食と紹介し、主催する国際会議などでもメニューに必ず入れる」との方針を発表した。




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