2025.02.17 JAPAN NEWS

探知犬診察続けて四半世紀

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共同通信
訓練センターで麻薬探知犬の定期健康診断をする獣医師の渡辺言之さん(左)=2024年11月、千葉県成田市

 麻薬探知犬や警察犬の診察と体調維持を、千葉県栄町で動物病院を営む渡辺言之さん(63)が、およそ四半世紀にわたり受け持っている。「かぎ分ける鼻の能力を生かすには、全身が健康でなければ」と、これからも税関や警察を舞台裏で支えるつもりだ。

 2024年11月中旬、同県成田市にある東京税関の麻薬探知犬訓練センターで、在籍する犬の定期健康診断があった。渡辺さんは、鼻をはじめ耳や脚の関節など、全身をくまなく診察した。

 国内唯一の麻薬探知犬育成機関でもある同センターで、嘱託医を務める。

 千葉県北西部で生まれた。大学病院の小児科医として働く父の影響で、命を救う仕事に憧れる。幼い頃から犬や猫を飼い、動物が大好きだった。大学の獣医学部や大学院で、犬の病気の原因となるカビを研究。卒業後、東京都内の動物病院に勤務。1993年、姉が暮らしていた栄町で独立開業した。

 99年、東京税関職員の訪問を受けた。「麻薬探知犬が増えてきている。診察や治療を受け持ってもらえませんか」と打診された。探知犬訓練センターを見学し、嘱託医を引き受けた。

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