共同通信

台湾南部の中心都市、高雄市の哈瑪星(ハマセン)地区にある鉄道文化公園で、貨物列車を改造した観光列車「哈瑪星号」の運行が2024年11月末に始まった。哈瑪星の名前の由来は日本統治時代に同地区に敷かれた貨物線の「浜線」。高雄市は列車の復活をアピールしている。(共同通信台北支局=渡辺靖仁)
公園の正式名称は「哈瑪星鉄道文化園区」で、日本統治時代の1900年に開通した台湾縦貫鉄道の「打狗(タカウ)駅」のあった場所を中心に整備。開通当時、同駅と臨海部の倉庫地帯をつなぐ貨物線として浜線もできた。地名改称に伴い打狗駅は1920年に高雄駅と名前を変え、1941年に新たな高雄駅ができた後は、貨物専用の高雄港駅として2008年まで現役だった。
公園内には2010年に開設した博物館「旧打狗駅故事館」があり、屋外に蒸気機関車(SL)など約30両を展示。うち約10両は日本統治時代に製造され、歴史的価値もある。
哈瑪星号の客車は貨物車両を改造し、公園内の500メートル余りを時速約5キロで走行する。土日と休日だけの運行で、月に1度はSL車両を連結。日本統治時代から使われてきた故事館前のプラットホームから乗り降りする。野天の荷台に腰かけながら、園内の展示車両や、並走する次世代型路面電車(LRT)を眺められるのが魅力だ。
観光列車の企画を主導した故事館の古庭維館長は「プラットホームが遺構ではなくなり、再び使われることになった。将来、さらに線路を延長できれば」と語る。
哈瑪星地区の港は戦後の一時期、門司港(北九州市)へのバナナの輸出拠点だった。哈瑪星号の運行開始式には、この縁からバナナで地域振興に取り組む北九州市の水産加工会社社長、秋武政道さん(64)も招待された。秋武さんは「高雄が鉄道によって発展した港湾都市であることを知ることもできる。歴史を大切にする素晴らしい取り組みだと思う」と話した。




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