ニューヨークでの生活では驚きが「スタンダート」と化している。筆者は27歳、この夏憧れのニューヨークにやって来た新参者だ。日本(神戸)で人生の大半を過ごしたせいか、いちいちビックリするようなことが毎日のように起こるので、文化の違いやカオスな出来事を中心にポップにつづっていくことにした。
〜 カオスな街から身を守る方法 〜
「ニューヨークって、治安どうなん?」日本にいる友人や旅行でこの街を訪れる知り合いに何度も聞かれるが、「うん・・・良いとは言えへんけど、めっちゃ悪くもない」と答えながら、内心では「治安を保てるかどうかは、自分次第ではないか?」とも思っている。

ニューヨークには分かりやすく、容易に行ってはいけないエリアがあり、ネットで検索してもそのエリアは赤く囲まれたり、リアルタイムで起こっている事件の件数が分かるサイトやアプリもあるので、まずはそのエリアに近づかないことが重要。そして、街には割とテンションがハイ(薬やマリファナが原因)な人だったり、最近はホームレスも増えたように思うので、無防備に歩くことは気をつけた方がいい。
例えば夜道ではヘッドフォンをしない、地下鉄を待つときは壁に寄り添って待つ、誰も乗っていない車両は避ける、0時を超えたらなるべくウーバーやタクシーを使う、また「ペッパースプレーは持っておいた方が良いよ」という長年ニューヨークに住む人のアドバイスなど、日常的に心がけておいた方がいいことはたくさんある。
でもやはり街に出ると、日本に比べて「普通じゃない人」の数は桁違いなので、これらを心がけていても不十分に感じることが多い。なので、筆者はいつもとあることを意識するようにしている・・・「死んだシジミの目」だ。

“やばい” と感じる人が前から歩いてきたけれど避けられない状況だったり、地下鉄に座っていて、車両を移動しながら叫んでいる人がいるなど、どうしてもその場から離れられないときは、死んだシジミの目をするようにしている。ちなみに死んだシジミの目とは、特に威嚇するわけでもなく、睨みつけるわけでもない、ただシジミを思い浮かべながら、虚ろな目をすること。
キュルンと無垢な様子で立っているときっと舐められてしまうだろうから、いっそのこと相手と同じ「レベル」になってしまったら、話しかけられないのでは? という考えに至った。自分の身は自分で守る!今日もたまにヤバイ顔をしながら、ニューヨークの街を練り歩く。
著者のプロフィール

ナガタミユ(Miyu Nagata)エディター/ダンサー
兵庫県出身の27歳。幼少期に観た「コーラスライン」をきっかけに舞台芸術の世界にどっぷりハマって以来、20年以上踊り続けている。また、日本の出版社で編集者として活躍したのち「書いて、踊る編集者」としてさらなる飛躍を遂げるため、2024年8月から拠点をニューヨークに移す。
過去のエピソード
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