ニューヨーク州都市交通局(MTA)のリーバーCEOは19日、今年末にメトロカードの販売を終了すると発表した。地下鉄・バス運賃タップ決済システム「OMNY」に切り替える。ただし、手持ちのメトロカードは26年末まで使用できる。ゴッサミストが同日、伝えた。

「32年を経てメトロカードに別れを告げ、未来の料金支払いシステムに全面的に移行する時が来た」とリーバー氏。実際、多くの地下鉄やバスの利用者が既に、OMNYを通じクレジットカードやモバイル決済で運賃を支払っている。OMNYにはプラスチック製カードもあり、MTAは同カードの販売機をこの秋までに全ての地下鉄駅に設置する予定だ。
OMNYの使用開始は2017年。当初は23年末にメトロカードを廃止する予定だったが、コロナの影響でOMNYカード販売機の生産が停滞、延期された。
MTAはOMNYを通じて7日間および30日間乗り放題のサービスを提供していない。現行のプログラムでは同一のクレジットカードやモバイル決済を使うと、7日間ごとにチャージが34ドルを超えない仕組みになっている。34ドルは、メトロカードの1週間パスの代金と同じだ。ただし、メトロカードの1カ月パスと同等の仕組みはなく、メトロカードと共に消える運命にあるようだ。MTA関係者は、「毎年、7日間および30日間パスの未使用分は年間4000万ドルを超える」と指摘。「メトロカードは前払い。割引があるからといって乗り放題のパスを買っても、使わなければ損をする」と述べている。MTAの理事会は今年後半の運賃値上げを承認する可能性がある。その際、正式に乗り放題パス廃止を決定することになりそうだ。
メトロカードが登場したのは1993年。それまでニューヨーカーはトークンを利用していた。
編集部のつぶやき
JR東日本のSuica導入は2001年。OMNYは2021年で、20年遅れている。でも他のことは、日本がアメリカにずっと遅れていると思うので、Suica、よくやった!(K.T.)
関連記事
NYメトロカードと「別れの日」も近い 最後の限定デザインに注目
OMNY、児童・生徒や高齢者に MTA、メトロカードの代わり
地下鉄駅にOMNYカード自動販売機 メトロカードからの切り替え加速
RECOMMENDED
-
「1人暮らし」はつらいよ NYの生活費、全米平均の3倍
-
NY名物のステーキ、ずばりオススメの店は? セレブ御用達や「フライドポテト食べ放題」も
-
アメリカでいちばん人気の犬の名前は「ルナ」 3年連続でトップ、日本名との違いは?
-
NY初の「バンダイ」体験型施設に潜入!200台を超えるガシャポンに、アメリカ初のゲーム機も
-
連載『夢みたニューヨーク、住んでみたら?』Vol.10 ニューヨーカーはなぜ「手ぶら」で歩く?
-
実は面白い “トレジョ” のアート、ディスプレイからパッケージまで「気が付かないのはもったいない」
-
無料で雑誌「The New Yorker」の世界にどっぷり浸れる、今行くべき展覧会
-
不要なものを買わない方法 NYタイムズが「節約術」を紹介
-
北米初のユニクロ「カフェ」がNYにオープン、気になるメニューや価格は?
-
横浜駅前で暴走の男 “覚醒剤”や注射器100本押収