2025.03.28 DAILY CONTENTS NEWS

ウォール街ボーナス、過去最高の24万ドル超…円換算で3600万円 日本の約20倍に

ウォール街で働く金融機関社員のボーナスが2024年、過去最高の平均24万4700万ドルであることが判明した。前年比で31.5%も増加した。ただし、トランプ政権の経済政策で先行きには懸念も出始めている。27日、ゴッサミストが伝えた。

ウォール街のボーナス高騰は、一般のニューヨーカーにとっては格差拡大の象徴ともいえる
(photo: Unsplash / Aditya Vyas)

ボーナス総額は、金融業界の活況を反映して475億ドルと記録を取り始めた1987年以来最高。約20万人が働いているとしてこの平均値となった。ニューヨーク市の世帯年収の中央値は8万ドル弱で、実にその3倍だ。発表したのはニューヨーク市のトーマス・ディナポリ会計監査官。個人所得税の対象となるボーナスだけを使っており、ストックオプションなどを含んでいない。

ディナポリ氏は26日、「税収源でもある。市にとっては良いニュースだ」とのコメントを発表している。ウォール街からの税収は総額の7%に上る。このボーナスだけで2億7500万ドルの税収増が見込めるという。ウォール街は雇用も支えている。ニューヨーカーの11人に1人は直接的または間接的に金融業界に関係しており、市の経済活動の18%を担うという。

25年も金融業界は好況であると予想されているものの、経済の先行きは不透明なところもある。ディナポリ氏は「関税や政府補助金削減が不安材料。景気後退の懸念もある。ウォール街だけでなく全てのニューヨーカーが悪影響を受けることになる」と警鐘を鳴らした。

ニューヨーク市立リーマン・カレッジで経済・財政学の教鞭をとるマリオ・G・コルゾ教授は高いボーナスは市の経済や雇用にプラスだと指摘する。特に、金融業界の従業員がオフィースに戻る傾向にあることから、「フード業界からホスピタリティー、エンターテイメント、ゲーム関連まで、幅広く恩恵を受ける」と説明している。

編集部のつぶやき

別世界の話だなあ、で終わってはいけないので、日本の状況を調べると。全産業で大手企業の冬のボーナス平均が92万円超なので、年間に180万円超の見込みとする。ウォール街は円換算で3600万円とすると、日本の大手企業の20倍ですね。(K.T.)

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