ウォール街で働く金融機関社員のボーナスが2024年、過去最高の平均24万4700万ドルであることが判明した。前年比で31.5%も増加した。ただし、トランプ政権の経済政策で先行きには懸念も出始めている。27日、ゴッサミストが伝えた。

(photo: Unsplash / Aditya Vyas)
ボーナス総額は、金融業界の活況を反映して475億ドルと記録を取り始めた1987年以来最高。約20万人が働いているとしてこの平均値となった。ニューヨーク市の世帯年収の中央値は8万ドル弱で、実にその3倍だ。発表したのはニューヨーク市のトーマス・ディナポリ会計監査官。個人所得税の対象となるボーナスだけを使っており、ストックオプションなどを含んでいない。
ディナポリ氏は26日、「税収源でもある。市にとっては良いニュースだ」とのコメントを発表している。ウォール街からの税収は総額の7%に上る。このボーナスだけで2億7500万ドルの税収増が見込めるという。ウォール街は雇用も支えている。ニューヨーカーの11人に1人は直接的または間接的に金融業界に関係しており、市の経済活動の18%を担うという。
25年も金融業界は好況であると予想されているものの、経済の先行きは不透明なところもある。ディナポリ氏は「関税や政府補助金削減が不安材料。景気後退の懸念もある。ウォール街だけでなく全てのニューヨーカーが悪影響を受けることになる」と警鐘を鳴らした。
ニューヨーク市立リーマン・カレッジで経済・財政学の教鞭をとるマリオ・G・コルゾ教授は高いボーナスは市の経済や雇用にプラスだと指摘する。特に、金融業界の従業員がオフィースに戻る傾向にあることから、「フード業界からホスピタリティー、エンターテイメント、ゲーム関連まで、幅広く恩恵を受ける」と説明している。
編集部のつぶやき
別世界の話だなあ、で終わってはいけないので、日本の状況を調べると。全産業で大手企業の冬のボーナス平均が92万円超なので、年間に180万円超の見込みとする。ウォール街は円換算で3600万円とすると、日本の大手企業の20倍ですね。(K.T.)
関連記事
NYにパリの高級百貨店が上陸、「プランタンNY」がウォール街にグランドオープン
RECOMMENDED
-
NY初の「バンダイ」体験型施設に潜入!200台を超えるガシャポンに、アメリカ初のゲーム機も
-
アメリカでいちばん人気の犬の名前は「ルナ」 3年連続でトップ、日本名との違いは?
-
北米初のユニクロ「カフェ」がNYにオープン、気になるメニューや価格は?
-
実は面白い “トレジョ” のアート、ディスプレイからパッケージまで「気が付かないのはもったいない」
-
NYで「ソメイヨシノ」が見られる、お花見スポット5選 桜のトンネルや隠れた名所も
-
無料で雑誌「The New Yorker」の世界にどっぷり浸れる、今行くべき展覧会
-
物件高騰が続くNY、今が “買い時” な街とは? 「家を買うのにオススメなエリア」トップ10が発表
-
NYのクイーンズに巨大な「エンタメ施設」が誕生、フードホールにライブ会場も 総工費は約80億ドル
-
NYの水道水にまさかの事実 塩分濃度が3倍に、向こう30年で許容量を超える懸念
-
不要なものを買わない方法 NYタイムズが「節約術」を紹介